TOP-07.png

 水戸のまちなか大通り等魅力向上検討検討協議会では、2020年度に水戸まちなか再生に向けた未来ビジョン素案を作成しました。

 コンセプトは「MITO LIVING ISLAND-挑戦心を育む、水戸まちなか暮らしを取り戻すー」

歴史・地形的分析や、位置情報データなど多角的分析から水戸まちなかのコンパクトな都市骨格を「ISLAND CITY」と名付け、計画的なコンパクトシティ施策と実践的なストリートデザインの視点から、住む・働く・学ぶ・遊ぶが融合した、人中心の都市空間再編を目指すものです。

 さらに、水戸のまちなかを「誰もがもつ挑戦心を育む場」にしていきたい、という地元若手の想い。単一機能の商業モールではなく、用途混在した都市だからこそ起こりうる、市民一人ひとりの“挑戦心”を刺激する空間、そして挑戦を支える仕組みを作ることで“自分ゴト”として行動を促し、その行動が刺激となり新たな挑戦へと連鎖する、魁のまち水戸にふさわしい新たな「水戸っぽライフスタイル」を描いています。

 ここでは、空洞化により衰退著しい水戸まちなかの現状を再確認した上で、私たちが目指す水戸まちなかのありたい姿=未来ビジョンの素案についてご紹介いたします。

水戸まちなかの現状

対象エリア.png

対象エリア

 

本計画の対象エリア=「水戸まちなか」と定義しているのは、水戸駅から国道50号沿いを中心とする157haのエリアです。

※このエリアは水戸市が定める「中心市街地活性化基本計画」における都市中枢ゾーンであり、またコンパクトシティの形成を図るための計画「水戸市立地適正化計画」において医療・福祉・商業などの都市機能を誘導し、効率的なサービス提供を図る「都市機能誘導区域」でもあります。

歴史的特徴-時代を切り開く水戸-

 

現在の水戸まちなかの基礎は、江戸徳川御三家の城下町に端を発します。歴史の中での水戸を振り返ると、多くの志士に影響を与えたとされる「水戸学」の存在や、水戸の御老公、桜田門外の変といった「世直し」の土地柄です。

また水戸の3ぽい(飽きっぽい・怒りっぽい・理屈っぽい)という言葉もありますが、それは裏を返せば、進取の意気があり、義憤に駆られ時代を切り拓く、学問のまちであることを示しているとも言えます。

(画像:国立公文書データ「1645常陸国水戸城」)

常陸国.png
ハザードマップ.png

地形的特徴-馬の背状の洪積台地-

 

水戸まちなかはその周囲と20~30mの高低差があり、城下町として栄えていたころは水に囲まれた天然の要塞だったのだと思います。また、周囲と高低差があるものの、まちなか自体は平坦であり、今では地震や水害に強い防災拠点とも言える地形になっています。

(画像:「水戸市洪水ハザードマップ」令和2年7月公表版)

地理的特徴-広域都市圏・水戸-

 

水戸は東京から約100km圏で宇都宮や前橋、甲府とならぶ広域都市圏の中心でもあります。

400年以上にわたって歴史や文化、経済、交通、情報、そして人口が集積してきたこともあり、歴史・文化的な資源が豊富に存在しています。

水戸の資源.png

​衰退著しいまちなか-中心性の喪失-

 

国道50号大通りを軸に、主要企業や百貨店、個人商店が連なる水戸まちなかは、市民にとって文字通り「ハレの場」でした。

しかし近年、水戸まちなかの空洞化が深刻化。歩行者通行量は最盛期の1/3、小売販売額の市総額割合は1/2、路線価は全国で唯一下落。駐車場、空き店舗、空地が目立つようになりました。

モータリゼーションに伴い、大規模な商業施設や行政機能が郊外へ進出・移転、まちなかを中心にドーナツ状に拡がる郊外住宅地に人々は住み、まちなかは通過経路となりました。

郊外化.png
01.png

まちなかを歩いて感じたこと

 

ビジョン素案の検討にあたってまち歩きを行い、危機的状況を再認識。想像以上に空き地、空き店舗、青空駐車場が増加し、通行人はまばら。歩いている人には笑顔はなく、黙々と早足で通り過ぎていく。大通りは通過車両であふれ、道幅の細い裏通りは、歩行者が危険を感じる速度で車が通り過ぎていく。

かつて「ハレの場」として賑わいを見せていたころの面影はなく、まちなかの再生には都市構造や交通計画、ライフスタイルなど抜本的な改革が必要だと感じました。

kadai.jpg

水戸まちなかの可能性

ISLAND CITY-01.png

​ユニークな地形的都市構造=「ISLAND CITY」

水戸まちなかは、30mの高低差のある馬の背状の高台市街地です。近世以前までは、北部の那珂川と、今の倍以上の大きさのあった千波湖に囲まれ、水に囲まれた島のように見えていただろうその地形的都市構造を「ISLAND CITY」と名付けました。それは今も引き継がれており、高台の法面の緑地や、外周部から臨む絶景など、水戸まちなかで私たちは400年以上前の人々と同じ風景を見ることができます。空間的領域性がはっきりとした水戸まちなかは本来、歩行移動を中心として住み、働き、学び、遊ぶコンパクトな暮らしが実現しやすい場所。水戸独自のユニークな都市構造を再認識し、車から人中心の街なかを取戻すラストチャンスと位置づけたいと考えています。

未来ビジョン素案 コンセプト

02.png

まちを創るのは人。誰もがもつ、何かを変えたり創造したい気持ちから、行動が生まれ、まちは元気になる。

私たちが目指す水戸まちなかは、「誰もが持っている挑戦心を育む街」である。

地元若手から寄せられた想いをもとに思考をめぐらせていると、都市空間には「偶発的な出会い」「予期せぬきっかけ」から、五感が刺激され、アイディアをひらめき、仲間が共鳴する瞬間があることに気づきました。それは、消費のための商業モールと違う点だと考えます。

ISLAND CITYを舞台に、車から人中心の、住み・働き・学び・遊ぶ、水戸っぽライフスタイル
を実現していく―それを、「MITOLIVING ISLAND-挑戦心を育む、コンパクトなまちなか暮らしを取り戻す-」というコンセプトにとりまとめました。

​未来ビジョン素案のターゲット

03.png

未来ビジョン素案の先に起こる行動

04.png

​未来ビジョンのターゲットはまちなかで生きる人、まちなかで挑戦したい人。

主体となり調整したい主体となる人々(=プレイヤー)に対し、まちなかの再生を願う多くの支援者(=フレンズ)に応援してもらえる仕組みが必要です。

そのさきに、まちなかに関わるみんなが「自分ゴト」で考える、街のためにもなる「やりたいこと」「得意なこと」「好きなこと」を挑戦できるまちなかを目指します。新しい水戸っぽライフは、主体的な行動による前向きな社会実験の連続・連鎖から生まれます。

​都市構造の考え方

近世のころ、“ISLAND CITY”には今の2倍以上の約14,000人もの人々がまちなかで生活していました。現在は郊外分散により“SPROLL CITY”となり、まちなかの人口は約6,800人、人口密度は約43人/ha。あと3000人、まちなかの人口を増加させ、コンパクトで活気ある生きたまちなか“LIVING ISLAND”にすることが出来たら、どういった暮らしやサービスが起こるでしょうか。

少子高齢化が著しい人口減少社会である日本では、選択と集中のまちづくりが求められています。水戸まちなかでのコンパクトな暮らしを実現することは水戸市全体にとって、さらには茨城県にとっても重要なことだと言えます。

toshikozo.png

交通計画の考え方

コンパクトなまちなか暮らしにはそれを支える交通計画が欠かせません。公共交通と徒歩、低速小型モビリティを中心とした便利で快適な交通ネットワークの実現を目指します。通過を目的としたまちなかへの自家用車の流入を制限し、まちなかの入り口周辺には自家用車から公共交通への乗り継ぎ用駐車場を配置、公共交通は水戸駅-大工町間の重複を避け、まちなかの内周と外周を循環する路線を整備。退屈な移動時間を「楽しいひと時」に変える公共交通モビリティや関連施設のデザイン、お得な制度と合わせて実現します。

traffic.png
mobility4.png
mobility2.png
mobility.png
mobility5.png

まちなかの用途の考え方

yoto.png

実現に向けた取り組み方針

実施施策(主要プロジェクト)の検討イメージ

project.png

ご覧いただきありがとうございました。

​この未来ビジョン素案の妥当性を検証するべく、2021年10月9日~同年10月31日まで、試行・実証実験を行います。

詳しくは「水戸まちなかリビング作戦」のページをご覧ください。

郊外に拡大した居住機能をまちなかに誘導し、職住学商の用途が混在・融合した地区への転換を図ります。

「車から人中心のまちなかを取り戻す」ためは、コンパクトシティとストリートデザイン、性格の異なる2軸の視点が必要です。​

​官民連携による未来ビジョンという特徴を活かし、それぞれの役割分担を協議していきます。

​働き方についての考え方

多拠点生活、パラレルワーク、専業特化、自己研鑽活動、起業、起業トライアル…多様な働き方を受容れ、挑戦を応援する気分・仕組み・開かれた場のあるまちなかを目指します。

work3.png
work.png
work2.png
work5.png

住まいについての考え方

住まいはまちなか暮らしの拠点。喧騒から切り離された要塞ではなく、賑わいや屋外空間に接続し、多様な世帯を受け入れる実験的な住まいの空間を生み出します。また、既存の助成制度などをPR・拡張することで、まちなか暮らしをより身近なものにする仕組みづくりや、空きビルや老朽化した住居のリノベーションにより優良な住宅ストックを増やします。

sumai.png
sumai2.png
sumai6.png

学び・遊びについての考え方

まちなかで遊ぶうちに知合った人とのつながりが、気づけば学びになっていた。学びに真摯に向き合ううちに、人生を楽しくする遊びになっていた。そんな体験が生まれる、屋内外で人のための居場所がたくさんあるまちなかがいい。

かつて水戸藩士たちがたちがまちなかで日々学び、遊んでいたように、今水戸にある萌芽を大切に、様々な気づきやきっかけに出会えるまちなかにしたい。

manabi2.png
manabi4.png
manabi.png
senryaku.png

​21年度の未来ビジョン確定に向け、実施プロジェクトの可能性や主体について検討をすすめていきます。